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擁壁
擁壁などの土留め構造物を建設する際には、検討しなくてはならない項目として転倒・滑動・支持力の3つが挙げられます。
転倒とは、文字通り回転モーメントにより構造物そのものが倒れてしまう現象です。転倒するかしないかを検討するためには、構造物に加わる力の合力の大きさと向きを知る必要があります。擁壁に働く力に、どのようなものがあるかはケースバイケースですが、必ず考慮しなければならないのは擁壁の自重と背面からの土圧です。
背面からの土圧が、どうなるかは色々な考え方がありますが、非常に単純には、背面土の内部摩擦角を上回る部分の土は全て滑り落ちると考えます。従って、このくさび型の土塊の自重の水平分力が擁壁を転倒させようとする力となります。
滑動は、この土塊の水平方向分力によって擁壁が前方へ移動してしまう現象です。滑動の検討を行うには、地山と擁壁の間の粘着力あるいは摩擦係数を決定する必要があります。
このように擁壁は地山と構造物の摩擦力で地盤を支持する構造物です。摩擦の問題は、実はとても難しい話です。小さな供試体ならば、かなり詳細にわかってきていますが、対象地盤全体を試験する方法というのは確立されていないというのが現状です。現在は、相当小さな値を想定することで安全を確保しているようです。擁壁は、先述の橋梁やトンネルに比較すると費用の安い構造物ですので、このような方針でもやむを得ないのかも知れません。
カテゴリー:公共土木分野の実務
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