見えないもの
「呪とはなんだ」
「この世で一番短い呪とは、名だ」
これは平成13年に映画化され、今なお根強い人気を保つ「陰陽師」での、安倍晴明と源博雅のやりとりです。わかったような、わからないような会話ですね。 作品の中で「呪」は超能力か催眠術のように描かれています。それがどうして、誰にでもある「名前」になってしまうのでしょうか?
「呪」について触れる前に、まず晴明は実在上の人物です。その晴明が鬼神を扱うとされています。いくら平安時代とは言っても、街中を普通に鬼が歩き回っていられても困ります。ですから鬼とは当時でも一般人の目には見えないものだったに違いありません。つまり陰陽師とは目に見えないものを、あたかも見えるように扱う、そういう人達だったのでしょう。
こんな風に言うと、まるで陰陽師がインチキ教団みたいに聞こえるかも知れませんが、必ずしもそうではなかったと思います。大衆教育も自然科学も、現代のように発達していない当時であっても、地震などの災害は、今と変わらずあったことでしょう。いや現代においてだって、目にも見えない地面の中で何がどうなって地震が発生したり、地滑りが起こるのかなど事細かに説明されても普通の人にはどうでもよいことです。
要するにそれは鬼?という言葉はさすがに現代では使えないまでも、災害であることには変わらないのです。肝心なのは災害で人が亡くならないこと、そして建物がこわれないこと。つまり被害を防ぐにはどうすればよいか、ということですよね。その意味で、平安時代の鬼と現代の災害の間に本質的な違いはないのではないでしょうか。地盤災害という鬼を扱う現代の陰陽道?それこそが地質調査なのです。
カテゴリー:地質調査と陰陽道
見えないもの:関連記事
断面図について
地質調査技士が、最終的に地質調査結果をまとめる上で用いる表現には、色々な方法があります。中でも多用さ...
式神は柱状図
安倍晴明が、しばしば用いる術に式神があります。式神は、あたかも手品か妖精のように描かれています。しか...
分類の方法・陰陽師の技(2)
少し有名人と「呪」の関係を補足すると、例えばテレビのニュースや教育番組でよく見られるものがあります。...
分類の方法・陰陽師の技(1)
地質調査技士が、地質や地盤種別など曖昧な部分を分類するには具体的にどうするのでしょうか?もちろんケー...
区切るということ
皆さんは土と岩の区別は付くでしょうか。「当たり前だ。土は軟らかいし、岩は硬い」その通りです。土はスコ...
昨今では、地質調査技士の他に、地質調査管理技士という資格が出来ています。
これは、地質情報の建設CALS/EC対応やGIS(地理情報)の利用が増えた事から、 それに対応できる技術者の育成の目的から設立されました。
自身の技術向上に向けて、こちらも是非チャレンジして見てください!
