式神は柱状図
安倍晴明が、しばしば用いる術に式神があります。式神は、あたかも手品か妖精のように描かれています。しかし式とは本来「計算式」の式などと同じ意味で、定められた手順、あるいはその繰り返しということだそうです。現代の地質調査に例えて言うならば、地質調査技士が使うソフトウェアのサブルーチンや関数といったところでしょうか。
式とはまた様式の式、書式の式でもあります。平安時代の陰陽師たちは、定められた様式で、繰り返し手順を踏むことにより効果的に「呪」をかけていたのでしょう。
さて地質調査で強い「呪」をかけるには、良質な証拠を収集し、コツコツと説明を重ねるしかないという事は先にお話しました。調査ボーリング結果を説明する様式に柱状図というものがあります。
ボーリングコアは、確かに最も確実な証拠ですし、強い「呪」のもとになるでしょう。屈強な人ばかりならば、常に全てのボーリングコアを持ち歩き、それを見てもらうというのは一つの式と成り得るかも知れません。しかし、持ち歩くだけで息切れしてしまい(ボーリングコアは結構重いのです)、結果の説明が滞るのであれば、必ずしも良い「式」とは言えませんね。
そこで事前に書式を定めた紙ベースの様式で調査結果を表現することにしています。これを柱状図と呼んでいます。柱状図の書き方は、基本的な部分については取り決められています。しかし調査目的によって、強調して表現しなければならない事項は異なるものです。取り決めだけに基づいた画一的な柱状図ではなく、状況に応じた表現を行うことが、より強い「呪」のコツと言えるでしょう。
柱状図は一箇所の調査ボーリングに対して、必ず一枚作成します。地質調査では最も多用される作業手順です。まさに地質調査技士が用いる式神と呼ぶことができるでしょう。
カテゴリー:地質調査と陰陽道
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